木質系サイディングはデザイン性が高く、木の温もりが感じられるところが魅力的。ですが、「他のサイディングの種類との違いがいまいちわからない」「メンテナンスにお金がかかりそうで不安」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、木質系サイディングならではのメリットとデメリットについて徹底解説しています。
1 「木質系サイディング」ってなに?
外壁は、いわば家にとっての「顔」的な存在。同じデザインの家であっても、外壁の色や材質によってイメージが大きく変わります。
イメージ通りの外壁を完成させるためには、外壁材選びが肝心です。「せっかくのマイホームなのだから、おしゃれな外壁に仕上げたい」と考えている方が多いはず。
そんな人たちの間で特に高い人気を誇る外壁材こそが、木質系サイディングです。木質系サイディングとは、木材を使った薄い板状の外壁材のこと。
一枚板である場合もあれば、集成材などもあり、外壁のデザイン、使用する範囲などに応じて使い分けることになります。
2 木質系サイディングのメリット
窯業系サイディングや金属系サイディングなど、さまざまな外壁材の種類がある中で、木質系サイディングはコストパフォーマンスという点では必ずしも優れているわけではありません。
にも関わらず、外壁材に木質系サイディングを選ぶ人が多いのです。他の外壁材と比べると、木質系サイディングはどのような点が優れているのでしょうか?
ここからは、木質系サイディングのメリットについて詳しく見ていきましょう。
断熱性が高い
天然木を素材として使用しているだけあって、木質系サイディングは熱を吸収しにくく、断熱性が高いという特徴をもっています。
外壁に金属系サイディングを使用している場合、金属には熱がこもりやすいため、暑い夏場にクーラーをつけても家の中に熱がこもりがち。また、冬は暖房を使用してもなかなか室内が暖まらないでしょう。
そのため、直射日光が当たりやすい立地条件の家や気温の高低差のある地域にお住まいの場合には、木質系サイディングを外壁材としてチョイスするのがおすすめです。
外壁の熱が直接家の中に伝わるのを防ぎ、夏場でも快適に過ごせるようになるでしょう。
ぬくもりがあるデザイン
窯業系サイディングや金属系サイディングでも木目調のデザインに仕上げることは可能ですが、どうしてもナチュラルさに欠け、人工的な質感がしてしまうもの。
その点、木質系サイディングは天然の木材を使うため、窯業系や金属系にはない自然で高級感のある質感が得られます。
また、色合いによって仕上がりのイメージを変えられるのも魅力的。淡い色を選べば爽やかで清潔感のあるイメージの外壁になりますし、濃い色を選べばシックでエレガントな外壁になるでしょう。
3 木質系サイディングのデメリット
メリットだけを見て外壁材の種類を決めてしまうのは考えもの。外壁工事にはお金がかかるので、後悔しないようにデメリットについてもしっかりと検討しておくことが必要です。
その上で、ご自身の希望する仕上がりイメージや予算に合う外壁材を選びたいものでしょう。では、木質系サイディングにはどのような欠点があるのでしょうか?
ここからは、木質系サイディングのデメリットを3つピックアップして解説していきます。
価格が高い
木質系サイディングは天然木を使用しているため、金属系サイディングや窯業系サイデイングなど他の種類の外壁材と比べると2割ほど高いのがデメリット。
価格に見合っただけのナチュラルで高級感のある仕上がりにはなりますが、「コストを抑えて外壁のリフォームをしたい」「メンテナンス費用をできるだけ抑えたい」という方にはあまりおすすめできません。
劣化しやすい
金属系サイディングやセメントを混合した窯業系サイディングといった外壁材と比べると、経年劣化の影響を受けやすいというのも木質系サイディングのデメリットのひとつ。
木製なので水に弱く、他の外壁材よりもメンテナンスの期間が短くなってしまうので、あらかじめメンテナンス費用を想定しておく必要があります。
また火にも弱いので、外壁に防火性の高さを求める場合は他の外壁材を検討したほうが無難でしょう。
「修繕費がもったいないから」と言ってメンテンナンスを怠ると、外壁の強度が失われて安全性が損なわれてしまいます。加えて、カビやコケが発生したり剥がれが目立つなど、見た目的にもよくありません。
施工できる業者が少ない
木質系サイディングは取り扱いが難しく、高い技術力を求められます。施工難易度の高さゆえに、工事できる業者が限られるといのも木質系サイディングのデメリットだと言えるでしょう。
業者選びを間違えると、高いお金を払ったのに満足行く仕上がりにならず、トラブルになる可能性も…。
こうした事態を防ぐためには、業者選びにあたって木質系サイディングの施工実績が多いかどうかをきちんと確認する必要があります。
4 木質系サイディングに塗装は必要なの?
天然木の味わいが魅力的な木質系サイディング。「わざわざ塗装をする必要はないのでは?」と思う方も少なくないはず。
では、木質系サイディングに塗装は必要なのでしょうか?
劣化を防ぐため塗装は必要!
結論から言うと、木質系サイディングであっても塗装は必要です。「コストを抑えたい」という理由で塗装をしなかった場合、木材が雨風に直接さらされることになるため、劣化して腐り始めてしまうことも…。
10年ももたずに傷んでしまうため、審美面でも機能面でもデメリットが大きいと言えるでしょう。
ちなみに、クリア塗装を行えば、木材ならではのぬくもりやナチュラルさを損ねる心配はありません。
塗装が雨風から木材を守ってくれるので、カビやコケが生えにくくなりますし、耐久性も高まるでしょう。
他の外壁材よりメンテナンス頻度は高くなる
窯業系や金属系など人工物を使用した外壁材と比べると、天然の木材を使用した木質系サイディングは耐用年数が短いのがデメリット。
初期費用が高いだけでなく、7年程度で塗り替えなどのメンテナンス費用もかかるため、将来的な補修費用を想定した上で木質系サンディングを選ぶことが必要です。
「メンテナンス頻度を極力抑えたい」という場合には、他の外壁材を選んだほうが無難でしょう。
5 木質系サイディングのメンテナンス時期
外壁のリフォームを検討中の方にとって気になるのが、メンテナンスの頻度やタイミングでしょう。
具体的にどれくらいの期間で、またどのようなタイミングでメンテナンスを行う必要があるのでしょうか?以下では、木質系サイディングのメンテナンスの詳細についてご紹介していきます。
5~10年ごとに塗装が必要
外壁はどうしても雨風にさらされるため、水に弱い木質系サイディングは定期的にメンテナンスを行うことが大前提。少なくとも、7年に1回は塗装が必要です。
メンテンナンスを怠って15年以上放置すると水が木材の内部にまで浸み込み、腐り始める危険性があるので要注意。
劣化症状が出たタイミング
「7年に1回にメンテンナンス」というのはあくまで目安であって、7年未満であっても劣化症状が出たならば、早急に補修を行う必要があります。
特に注意したいのが、ひび割れや剥がれといった劣化症状です。放置すればどんどん破損がひどくなり、余計に修繕費がかかってしまいかねません。
劣化症状が出た段階で早めにメンテナンスを行うことで、結果的に修繕費を抑えることができるでしょう。