外壁塗装中に雨が降ってきた…大丈夫なの?
雨の多い日は外壁塗装ができないの?
雨雲が来てるけど、今日は工事できるのかな…
このようなことを、外壁塗装の工事前・工事中に気になってしまう方が多いと思います。
雨が外壁塗装中の塗料に与える影響は、デメリットばかりで、大敵です。 なぜ、外壁塗装において雨は大敵なのか?
1 雨が外壁塗装に与える3つの悪影響
雨が外壁塗装に与える影響はいいものではありません。塗装中ならば、塗料が流れてしまうなどのデメリットが発生します。
結論から言ってしまえば、雨が降っているときに外壁塗装は不可能です。 ただ、塗装は不可能でも雨の日にできる工程もあります。
これから、工事中に雨雲が来てしまったときに雨が塗料に与える影響をご紹介していきます!
1-1.塗料の耐久力を低下させる
雨の中で外壁塗装作業を続けると、塗料に雨水が混ざってしまいます。
塗りムラができるだけでなく、塗料に水泡が混ざってしまい、仕上がりの外観が一気に悪くなってしまうでしょう。
また、雨水で塗料が薄まりますので、塗料の耐久性も悪くなります。
本来ならば、長寿命のアクリルシリコン樹脂系の塗料やフッ素系塗料を塗ったとしても、わずか数年で塗料が剥げてチョーキング現象が見られることもあるのです。
雨の量によっては、数年も経たないうちに外壁にひび割れが生じることもあります。明らかなひび割れが生じなくても、塗装面に凹凸が生じ、グレードの低い外壁に見えてしまう恐れもあります。
1-2.湿気によって乾燥が遅れてしまう
雨の日は、湿度が高くなってしまいます。湿度が高いときも、塗料に湿気を含んでしまうため、塗装工事には不適切です。
湿度が80~85%を超えているときは、塗装工事をしないと決めている業者が多いです。
また、外壁塗装は塗料を一層ずつ乾燥させて何重にも塗り重ねて仕上げますが、温度が低くすぎるときは塗装面が十分に乾かず、塗り重ねることができません。業者によっても基準は異なりますが、気温が5度を下回るときには塗装をしないことが多いです。
1-3.工期が延長してしまう
外壁塗装中に雨が降ってきた場合は、業者は作業を途中で止めることになります。
そもそも、降水確率が50パーセントを超えている場合は、様子を見ながら現場に行き、できるところ、雨が当たらない軒天などの塗装をおこないます。
ただ、先ほどのように湿気と塗料の相性というものがあります。その見極めをしながら工事をおこないますが、できることには限りがあります。雨の日にできることがなければ、工事を中止することになり、予定していた工期が延長することは避けられません。
工期が延びたら費用の追加はある?
塗装工事の工期が延びたからと言って、特に追加費用を請求する業者いないと考えていいでしょう。
逆に、雨の日に工事を強制的に決行して塗料が流れるなどの事態が発生した時も、基本的には無償で保証してくれる場合が多いです。
考え方としては、雨の日に工事ができるかの判断も仕事のうちに入ります。よほどの理由がない限りは心配しなくて大丈夫でしょう。
そして、天候によって工事が難しくなってしまうことで起きるデメリットは、施工を依頼した施主も業者も同じです。そこは平等に考えていくことが必要です。
1-4.塗装業者のケガのリスクが増える
雨の日は、外壁塗装用に設置された足場が大変滑りやすくなります。塗装業者はプロですが、それでも滑りやすい足場では本来の技術が発揮しにくくなります。
また、最悪の場合は足場から滑り落ちてしまうなどのけがのリスクも発生します。
2 雨の日の外壁塗装できること・できないこと
外壁塗装は雨の日にやると、いいことがないよね?でも、雨の日には本当に何もできないの?と考える方もいるでしょう。
確かに、梅雨時期でもないのに工事直後に雨天が重なる場合もあります。
その場合でも、少なからずですが雨の日に工事をおこなっても心配ない工程があります。
以下にご紹介していきますので参考にしてみてください。
2-1.雨の日の外壁塗装でできること
高圧洗浄
雨の日には、高圧洗浄が可能です。
高圧洗浄とは、外壁塗装をおこなう前に外壁や屋根全体の既存の汚れを水によって洗い流す工程のことを指します。
高圧洗浄であれば、外壁に高圧の水をかけて行う洗浄方法ですので、外壁が濡れることにリスクはありません。
ただ、あまりにも激しい雨の場合は視界が悪くなったり足元が見えづらくなってしまうリスクがあります。
その場合は、高圧洗浄といえども作業を中止する判断が必要です。
足場組立・解体工事
足場の組み立ては、外壁塗装を業者が行うための必要な工程です。
こちらも、雨の日の作業は基本的には可能ですが、雨雲が薄く、小雨の状態ならという制限はつきます。
理由としては、足場の部材は一つ一つに重量があり、業者も滑り止め付きの軍手や手袋を使用して作業しています。
雨がひどい場合は、部材が滑りやすく、思わぬ落下事故を招いてしまう可能性があります。大雨の時は工事を行わない判断も必要となる工程です。
飛散防止シートの設置
足場工事を設置した後、塗装工事中に塗料が近隣へ飛散しないようにメッシュ地の飛散防止シートを張っていく作業も必要です。
こちらも、基本的には外壁を触ることはないので足場工事の工程の中に含まれている作業です。そのため、雨の日に行うことは基本的には可能となります。
2-2.雨の日の外壁塗装でできないこと
外壁塗装工事
雨が降りだすと、大抵の業者は塗装作業を切り上げます。
意を決して「少々の雨でも塗装工事を続けてもらえませんか?」と頼んでも、業者によっては「仕上がりが悪くなるので絶対にできません」断られることが大半です。
まれに、仕上がりよりも施工主の意向を優先してくれる業者もあり、無理なお願いを聞いてもらえることがあります。
しかしながら、無理を押して作業をしてもらうわけですから、早期に塗料の浮きや剥がれが見られても、通常の補償が実施されない可能性もあります。
「すべての補償が適用されなくなりますが、それでもよろしいですか?」と、前もって業者から確認されることもあるでしょう。
そのような事態を避けるためには、外壁塗装は雨の日にはできないという認識が大切です。
養生・養生はがし・撤去
塗装工事を行う前に、窓・床・アルミ部分などの塗装をおこなわない個所を、マスカーやマスキングテープと言われる特殊なテープを使って塗料が飛散しないように防止する養生という工程があります。
これは、雨の日におこなうことができません。テープが湿気によって接着しなくなるためです。
また、塗装工事が完了した後はと養生をはがす作業が必要になりますが、これも雨の日におこなうことは基本出来ません。
理由として、塗料がついた養生をはがす際に、ビニールについた塗料カスがまれに飛散してしまいます。
そして、雨の日に塗装カスが飛散してしまうと、雨の水気によって塗装カスがいたる箇所にくっついて取りにくくなってしまいます。
ただ、どうしても養生をはがしたい箇所があれば、軒天がある雨の当たりにくい箇所や、一部の窓だけなど、部分的な場所にとどめておくことをおすすめします。
3 外壁塗装中に雨が降った時の対処法
外壁塗装前に雨が降るのは防ぐことができるけど、塗装中に雨が降ってきたらどうするの?と心配になると思います。
そこで、外壁塗装中に雨が降った時の対処法をご紹介します。
3-1.塗装工事を中止する
これは、当然のことですが、雨が降った時は外壁が濡れてしまいます。工事はすぐに中止する必要があるでしょう。
3-2.可能であれば、雨が当たらないように養生をしてもらう
外壁塗装中の急な雨は、まれに業者が予想できないこともあります。ただ、塗装を進めてしまっている場合は、壁面を軒天だけでは雨が防ぎきれないので、雨がなるべく当たらないように養生をしもらいましょう。
業者は基本的にはプロなので、塗料が流れるなどの最悪のケースに対して対処する方法を知っています。
養生作業などでしっかりと雨が当たらないように素早く対応してくれるでしょう。
4 外壁塗装に適した天気は?
外壁塗装に適した天気は、基本的には晴れの日であれば大丈夫と言えるでしょう。
日本には四季というものがあり、気候条件や気温などは一年中バラバラです。
塗料メーカーはそのことを踏まえて一年中塗装ができるような製造方法をとっていますので、安心できます。
ただ、気温が5℃以下の場合・湿度が80%以上の場合は、基本的に避けるべきです。
また、雨だけではなく雪や結露も、外壁が濡れて湿気を帯びているという点では、状況が同じなので避けるほうが適正と言えます。
そして、塗料の乾燥時間というもの大切になりますので、きちんとメーカーが指定している乾燥時間を空けることを業者に伝えましょう。
まとめ
雨の日は、外壁塗装だけでいえばできませんが、工事全般では雨の日でもできることがあります。
そして、業者・施主どちらにとっても雨はいい影響を与えません。
もし、業者側の都合で雨の日でも工事を急かすような仕草があれば、それは業者側の都合の可能性があります。
基本的にはしっかりと判断をしてくれる業者が大半なので、もしそのようなことがあった場合は、この記事でつけた知識を活用して解決していただければと思います!